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2017年5月11日 (木)

コルビジエのコンタクトシート

Img_2709


仕事の関係で世界中の集合住宅を見てきたがその中でルコルビジェの仕事はあまり好きではない。それは戦後の日本などでもコルビジェの影響が拡大しすぎて、乾燥している集合住宅と言うとすべてコルビジェ風なのである。

1,930年代のドイツの集合住宅のなども取材して回ったがやはり人間の暮らしている空間を最低限にカットしたと言う、当時のつまり今の時代に受け継がれている住居の狭苦しさと言うものの元祖がコルビジェと言うふうに私は考えている。

結局コルビジェで1番面白いのは彼の人生の終わりの頃に住んでいた南フランスの小さな茶室めく丸太小屋に行き着くようだ。
そしてコルビジェは海に出かけて行って再び戻らなかった。

コルビジェの業績は後の時代になって企画展のキュレーターなどがいささか大げさに取り扱うようになってしまった。
例えばコルビジェのパリのアトリエの屋根裏部屋をそのままに復刻してみたりそのコルビジェの仕事場に置かれている彼のメガネと言うのが特徴的な丸い眼鏡で、それを外したらもはやキャラクターの喪失してしまうようなあのメガネである。

それと愛犬の皮で作ったブックカバーと言うのもちょっと不気味であった。これは日本人と欧米人のペットに対する考えが根本違うからである。
マンハッタンに住んでいた時に聞いた話だが長年飼っていた愛猫が死んだときにペットの葬儀屋さんが毛皮はいりますかと聞いたそうだ。
ペットに対する認識が世界の西と東では異なるのだ。

これは一昨年の今頃にパリで開催されたルコルビジェのポンピドーセンターでの大回顧展である。
その中で私が1番興味を示したのは彼が個人的に撮影した写真のコンタクトプリントであった。

偉大な建築家と言うよりも1人の人間がそこに息遣いを感じるのである。
息遣いというのはカメラの向け方とアングルのこと、つまり生きている人間が現実世界に反応したそのルーカスなのである。

どうも写真の面白さはそこら辺にありそうだ。
建築家にしろ芸術家にしろ彼らの身体を通過した後に副次的に作られるのがアートと呼ばれる創作物である。
ところが写真にはそういうプロセスがなくて現実にそのまま反応するところが写真の面白さなのかもしれない。

1,970年代に北井一夫さんとドイツを旅行していた時に北井さんはハインリッヒ チーレの作品よりも彼がイラスト参考ように撮影したスナップショットの方が面白いと言った。
まさしくその通りであった。

これと同じセオリーで考えるのならば、アジエがユトリロのために撮影したイラスト参考用のパリの古い写真の方がユトリロが描いたパリの風景よりもビビットであると言うことになる。
事実、これは正しいことだと思う。

その意味で私がポンピドーセンターで面白いと思ったコルビジェのコンタクトシートは建築が生まれる以前の原風景としてのコルビジェの環境に対するオートマチックな反応と言う意味である。それが面白い。

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