スデクの黒
昨年の何時だったかもう忘れたが、東西線の行徳あたりの駅で降りて、北に歩行した。ここは市川市であって、江戸川が街の東側に高い土手を形成している。
その上に登って、土手を上手に歩行すると、その先は旧江戸川との分岐になっている。川の分岐点を視るのが、あたしの趣味のようであって、この前、プラハに向かう時には、やはり成田を離陸した飛行機の左側に座っていたら、離陸数分で荒川と隅田川の分岐点が見えた。
すなわち、それは岩淵水門界隈なのである。普通だと双眼鏡で確認できる程度だが、1月13日にはそれが裸眼で確認できたのには感心した。
同様な川の分岐点には、ウイーンの着陸寸前んおドナウ川がある。この場合、ウイーンを東側から南に巻くようにアプローチすす場合、進行右側にはドナウが分岐してドナウ運河に分かれるポイントが見える。いずれにしても、そのポイントは高速で移動する飛行機から視るのだから、数秒に過ぎない。それが素晴らしい。augenblickというやつだ。そこには地理の真実が垣間見えている。
この水たまりがあたしの好きなものであって、よどんだ水の上に疲れた地平線が横たわっている。この前にここに来たのは昨年の時期は何時か忘れた。
今日来てみて、撮影して驚いたのはカラーで撮影しているのに、それがまるで「スデクのモノクロプリント」のように見えたことだ。カラーの設定を間違えたのかと思って確認したが、正しく普通のカラーモードで撮影している。
スデクの名作に、モルダウを川岸から撮影した作品でちょうどこのような似た枝ぶりの樹木が前掲にあった構図のがあったのを思いだした。



