6月30日の宿替え+ヘリコプター
30日、火曜。
冷涼多湿だが、引越しの好天日。同じタワー内のまったく同じ部屋の15fから12fへの移転。今回の作戦はこれを「2009,6,30生活防衛引越し」と命名した。なにか気象庁の大地震の命名みたいで大げさでばかばかしいのがよい。
つまり、今までの賃料の10月分が今度の1年分の賃料になる。
野々宮MBWの会社も最近、赤坂から麻布十番に引っ越したそうで、そのダンボールの開梱作業で多忙のようだが、あっと言う間に朝9時の作業開始で、息つく暇もなく昼休みになり、午後5時の作業完了になった。
部屋から荷物がなくなり、新しい部屋にどんどん荷物が運びこまれてあっという間に、どっかのマンションの引越し直後のような室内の光景の中にいすに腰掛けている自分を発見した。
くろねこ大和の引っ越しのクリューはプロだから仕事は速い。そのスタッフの中の「おねえさん」は5年前、うちの引越しをやってくれた人で、前の引越しを記憶していたので「旧交を温め」た。プロの引っ越しやさんは毎日が引っ越しなのだから、これを生活にしてその記憶を綿密に組み立てたら、新しい「引越し文学」が生まれそうだ。
いかにハイテクの時代であっても、最後には「人力」が勝利を収めるという「一事」がなにか真理であると思わせるのが引っ越しのパワーである。
午後6時にあわててシャワー浴びて、7時すぎには品川区東五反田の「ヘリコプター」に行く。前田司郎さんの「三島由紀夫賞」受賞記念の大宴会。
住居表示のメモだけ頼りに、五反田駅から夜の街を歩いて、知らない場所に一発で到着したのは、われながら びっくりした。犬の土地勘だ。
会場満員。en-taxiの田中陽子編集長、福田和也さんら。福田さんはパナソニックのG1にズミルックス35ミリf1,4で会場を連射。そこに前田司郎さんが登場して、さて三島賞の賞金でどういうカメラを買おうかという、こういうのは楽しい話題だ。
前田さんの劇場はもと鉄工場の広大な建物の一室である。父上が設計した「トラス」の構造を見る。実はあたしは一種「トラスフェチ」であって、その種の鉄骨構造を見学するのが好きだ。東京なら、富岡八幡のそばの日本最初のトラス橋がいい。たしか八幡橋といったか。
大宴会は大盛会であった。どうもあたしが一番年長のようである。
前田さんが最近脚本を書いた、NHKドラマで、それを自分は見ていないが、なんでも老人が東京に中古カメラ市に来るという筋書きというのは聞いていたので、作家自身からその細かい内容を聞いた。
それによると、そのほしいカメラは「コンタックス 2a」である。天皇陛下が皇太子時代に訪欧したとき、たしかカメラはそのコンタックスであったことを思い出した。
前田さんに聞きたかったのは、ドラマの撮影で「中古カメラ市」のセットをどのように組んだかという話であった。なんでも目黒のサンポーカメラでロケをしたそうである。
最近文芸誌「新潮」などを見ていると、フィルムカメラを使っての撮影行とか、ライカの出てくる小説がありそれが面白い。ポートレートを撮影するくだりで、ライカが登場してくる。そのライカのシャッター音が普通の擬態語よりかなりデシベルが高いので、これは作家の人がライカを知らないのかと思って、読み進めて行くと、そのライカはライカフレックスSLであることが分かったりする。ライカのシャッター音のトリック文学だ。
福田さんが前田さんに対して「この際だから、三島賞の賞金で4x5カメラを買ってはどうか」と提案している。賞金は振込みだというが、それがどうも面白くない。こういうのは「とっぱらい」でその現金をもって中古カメラ店を徘徊するのが「正しいカメラクルージング」であろう。
引越し疲れで、ダンボールを枕にして眠る。
| 固定リンク



コメント
拝啓 田中長徳様
うっとうしい季節を迎えおりますが、ますますご発展の事お喜び申し上げます。15階御在中は格別のご高配を賜り、誠に有難うございました。厚くお礼申し上げます。
12階新転後しばらくは「2009,6,30生活防衛引越し」のお忙しい日々が続くかと存じますが、御腰などに無理をせずに49階でのお仕事にお励み下さい。水も変わることですのでお体には特に気を付け、新地におかれましてもご自愛の上、ますますご活躍のことを心からお祈りしております。6月シドニーに参上しご挨拶を申し上げたく思いましたが、当方カクカクシカジカ取り回しが悪く、あえなく75里離れた土砂降り商用の土地にて心を馳せておりました。
とりあえず書中を持ってご祝辞申し上げます。 皆様のご健康とますますのご発展をお祈り致します。
敬具
投稿: GENGO | 2009年7月 2日 (木) 13時55分