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2008年11月20日 (木)

ナガサキからokowaが来る、アテネからfocaがくる

8960_1「長崎からおこわがくるよ」

これは戦前の誰かの文豪の文章でよく記憶しているフレーズである。

ようするに、ありもしないこと。

というような意味合いであるらしい。このごろでは、世界中から各種の物品が到来するのはいまさらのことだが、それが普通になってしまって、あらためて、家で食っている食品の生産地を見ると章魚がモロッコ。マツタケもモロッコだったりする。

いまどき、「おこわ」が長崎から届いても誰も驚かない。

大体、1年半周期で、お仏蘭西のライカコピー機、フォカにやられるのである。今年の秋がそれである。前回はそういえば、昨年の春にフォカは猛威を振るった。

戦後に登場して、1960年代までかなりの生産台数があり、仏蘭西海軍などではこれを公式カメラに制定していたのに、仏蘭西の写真家は、ブレッソンもシーフも使っていたわけではない。みな、ライカを使っていたのだ。

フランス人なら、フリッツにパリを占領されたうらみを忘れたのか?と、聞きたいのだけど、それなりのライカを使う理由があったと見える。

フォカは忘れもしない、1980年10月にリスボンで最初のツースターを買ったのが、このカメラとの出会いであった。そのときに撮影した、リスボンの急な坂を上って行く黄色い市電のカットはモノクロのトライxでの撮影だが、あたしに普通の4枚だまの50ミリの魅力を教えてくれることにもなった。

だからすでにフォカに馴染んで30年に近い。このモデルはユニバーサルRというのであって、レバー式の巻上げがついている。もともと、フォカの魅力はその「巻き上げノブがそのままにシャッターダイヤルになっている」という点にあるのだ。

それはこのモデルのひとつ前の、フォカユニバーサルまでである。だから、このモデルはフォカ精神を逸脱した異端児ともいえる。

バヨネットマウントで迅速に28ミリから135ミリまでのレンズ交換が可能だが、これは複雑怪奇な格好のバヨネットマウントであって、フランス人の頭のよさと世界に喧伝してやろうというような、嫌味なマウントだ。

偽ライカ同盟の同盟員黒田慶樹さんが、興味を持ったのは、その中の高速なレンズ、オプラレックス50ミリf19であった。なかなかのよい趣味であって、巷間、ズミクロン8枚玉がすべてなどと言っているレンズグルメとは段が異なる。黒田さんと「オプラレックス愛好会」を結成したのであった。

筑摩新書の原稿を脱稿したので、何か精神的な活力材がほしいと思っていた矢先、 ebayに出ていたのをbuy it nowで買った。

このセラーはギリシャのアテネなのだ。数年前にアテネに行って、毎日、パルテノン神殿見をてすごした。目の前がパルテノン神殿であるから、パルテノン神殿のほかに見るものがないというような、ホテルに暮らした。そのホテルの名前ホテルパルテノン。

アテネからフォカが届くというのは、その語呂が長崎からおこわが届くのとなんとなく、音が似ているのが、気に入っているのである。

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