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2008年10月 9日 (木)

岩波の山口さん

Epsn0499 8月の始めに岩波書店の山口昭男さんに大森山王のお屋敷であった。

暑い日で山口さんはワイシャツの腕まくりで、広大な敷地に建っている様式と和式の100年住宅を見せてくれた。
そこは2年後にマンションになるので、その最後の日を撮影して欲しいと前から依頼があったのだ。それが壱日延ばしのなって、とうとう、明日は重機が入るという本当の最後に日になってしまった。

広い座敷にすがれたちゃぶ台が置かれ、そこに見学者の数だけの麦茶がおかれた。
撮影の終了した後、お客様の帰った後にちゃぶ台の上の麦茶のコップを逆光で見たら、自分の少年時の記憶、つまり音羽の家でお客さんが帰った後の座敷の深閑としたあの気分が50余年ぶりに思い出された。

あれから60日が経過して、火曜の夕刻に山口さんから京橋の明治20年代から営業の「天七」に招飲を受けた。
岩波の山口さんはただの岩波の山口さんではない。

山口社長である。

昔、菅直人さんが厚生大臣の時、「大臣」という岩波新書が出て、それを手伝ったのが、カメラジャーナル時代の中川右介さんであり、その関係で山口さんを紹介された。当時はまだ社長さんではなかった。それで岩波アクテイブ新書で2冊、本を出してもらった。他に岩波から「東京今昔」という写真集、それと「晴れたらライカ 雨ならデジカメ」というカメラ本も出してもらっている。

この春には「岩波写真文庫」の復刻版でも「田中長徳セレクション」というので、お手伝いした。そのシリーズは赤瀬川原平、川本三郎、森まゆみ、それにシリーズ最終回は山田洋次という豪華キャストである。その中に混ぜてもらったのだから、これは嬉しい。

かなり前のこと、岩波アクテイブ新書の大阪での発表会では、面白いことがあった。あらかじめ用意したおいた、画像を大阪の某ホテルの設備を使用して見せようということであったが、10年前にはまだその方面をホテルでも熟知していなかったので、開始時間になっても、画面がスクリーンに映らない。
結局、当時の大塚社長、山口さん、あたしなどが参会者の皆さんに向かって、ふかぶかとお辞儀してお詫びしたのである。

まあ、大した「不祥事」ではないな。

講演会では、あれ以来、会場の投影装置には習熟を積んだので、あっちこっちの講演会でミスはしなくなった。これは舞台度胸というのであろう。

この5月の大阪ニコンサロンのこけらおとし「基調講演」では、実体投影機もあったので、持参のニコンSPをそれで投影して大迷演説をした。

その後、8月の横浜の氷川丸の「チョートク海を行く」の出版記念の講演会ではちょっと面食らった。会場で使用したPCは日本郵船歴史博物館のを拝借したのであるが、これには画像とファックスのビュワーが付いていないのである。

これは吃驚した。まあ郵船関係ならそういう画像を見るのは必要はないのであろう。さらに厳重な管理ソフトが付いていて、5分ごとにパスを入れないと、スリーンセーバーから復帰しないのだ。それで持参した画像は投影せずに、そのスクリーンセーバーを背景にして90分の講演をした。
そういうのでだんだんと「講演度胸」というものがつくのである。Rimg0040

Rimg0041 招待された「天七」は、かつてのカメラアートのビルの裏手にあった。これは奇遇だ。

1970年代に日本で唯一の英文カメラ雑誌に作品を連載していたのである。
これは1970年から75年ころまで続いた。
それで日の出ビルという「羊羹ビル」の最上階まで階段(エレベータはなし)で登ったのである。最上階のペントハウスで等々力国香さん率いるスタッフが常に英文タイプを鳴らしていた。
その向かいが「天七」であって、無論、そこに入ったのは火曜の夕刻が最初である。前を通っているのが40年後についに入ったという感じだ。

女将はその話を聞いて、あたしの体格からなにか当時、プロレス新聞社がそこにあったので、その関係者と勘違いしたようである。

山口さんと、先週のロシアの土産話をして時が移った。
お店が閑散としたころ、お店の中から当年14歳という茶色の猫が登場した。最初は犬かと思うような巨大なにゃーであった。

てんぶら屋の猫というのはその存在が豪華である。次の命で生まれ変われるものなら、絶対に「我輩はてんぷら屋の猫」である。

安吾賞というのがあって、月曜にはその第三回目の授賞式があったので、そこで受賞者の瀬戸内寂聴さんと会ったとは山口さんの話だが、瀬戸内さんは80数歳のお年にもかかわらず、なかなかの酒豪であるというお話が面白かった。ちょっとここに記載をはばかる逸話もあった。

その安吾賞というのはその人の業績ではなく、その人の生き様に対して贈られる賞なのだそうだ。来週から仕事を進行させる集中週間で、新潟のホテルで「自主トレ」なのだけど、山口さんからいただいた、岩波文庫の新刊の「堕落論ほか」を持参する。この文庫一冊もって、鍋茶屋でカウンターで独酌しようと思う。
その予約はすでにしてあるのだ。

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コメント

http://chotoku.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-2c24.html
10/6(月)更新の記事内容について。
このブログは一般素人が趣味で更新しているブログではなく駒村商会という協賛もあるものです。

私は長徳先生を尊敬していてファンであります。長徳先生がどんなにバーボン片手に筆を手にされていても今までいっこうにその魅力は揺らぐどころか素晴らしいものがありました。が 今回だけは 文中にかなり一部メーカーに対する誹謗中傷的な意見があります。 そしてあるまじき下記の一文。

「どっかで埃とか傷を消去できるようなデジカメのソフトが
あればよい」

プロとして襟を正して頂きたいと思います。

投稿: 訂正を | 2008年10月 9日 (木) 10時56分

デジカメなんてーのは必要な奴が買えいいだけなんだよ。
宣伝に踊らされて半端な製品を買う奴が悪い。
俺は死ぬまでフィルムで通すと決めた。

投稿: 訂正必要無し | 2008年10月 9日 (木) 20時01分

 この場所で実名で語っているのは長徳さんだけ。その言葉に対して、何の責任もない、どこの誰だかわからない「訂正を」さんが熱くなっても、何の意味もないでしょう。駒村さんが言うなら別ですが・・・。それにしても、尊敬されたり、襟を正せと言われたり、長徳さんも大変ですね。昔の「M6事件(?)」を思い出します。

投稿: 無名人 | 2008年10月 9日 (木) 21時48分

こんばんは。
先生とお会いしてから早1年、、
デブシロの日10月6日も何ごとも無く過ぎさりました。

最近、引っ越したのでお知らせいたします。
アンダルシアの壁から徒歩2歩になります。
お近くにお越しのさいはぜひお立ち寄りください。
当方、猫の身なのでお茶も出せませんが、、

今後ともよろしくお願いいたします。
(自分も来世は「てんぷら屋の猫」になりたいです。)

投稿: デブシロ | 2008年10月 9日 (木) 23時20分

ほおー、デジプロさん。あなた、猫なのに写真が上手いですね。
ビックリです。
リコーでもデジイチ並みの画質なので驚いております。
てんぷらを食べ過ぎるとメタボになりますから御注意を。

投稿: たぬき | 2008年10月10日 (金) 00時39分

デブシロさんこんばんは! 佃までいらっしゃってたとは。実は私もこちらの先生には以前よりお世話になっております。
先日はお約束もいただかずに突然新居まで押し掛けてしまい、大変失礼しました。デブシロさんの写真とムービー、娘が発狂してしまったのではと心配するくらい喜んでおります。本当にありがとうございました。
今日はもう時間も時間ですので、今度佃にいらっしゃるときは、是非少し足をのばされて富岡にもいらして下さい。お待ちいたしております。


富岡jdm

投稿: jdm | 2008年10月10日 (金) 01時32分

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