KCチョートクカメラコラム
ローライフレックスミニデジカメ
有史以来の絵画の構図というのは、いつごろから発生したものなのかは、それは知らないけど、ラスコーの有史以前の壁画などでは、紙ではなく洞窟の一部に描かれているのだから、この意味では地の大きさは最初から規定されていないところに、図が描かれているわけだ。
ここがその後の長い絵画の歴史(それと写真の歴史)の状況と異なる点であろう。
その意味でダゲレオタイプなどはしっかり現代絵画なのであって、そのフォーマットはちゃんと矩形になっている。
欧州のミュージアムなど、走り見ていて、ルーベンスの大作であろうが、ゴッホの小作であろが、それらは矩形の画面であるから、縦位置か横位置かなのだ。なるほど、ナポレオンのアルプス越えなどは、あれは縦位置でないと収まりが悪いであろうし、人物は縦位置、風景は横位置をいう定番はなかなかに崩れない。
自分の記憶の中で、正方形の絵画の名作を思い出すに、唯一のその実例はウイーンの歴史美術博物館に収蔵のきわめて小さい、フェルメール(これをウイーン人はフェアメーアと発音するのも懐かしい)の小品である。
たしかアトリエの画家の姿がガラスに反射している室内を撮影、じゃなかった、描いたものであるが、そういう内容はすぐに自分の頭から出て行ってしまうので、あるいは記憶違いがあるかも知れない。
デジカメの正方形画面は自分は気に入っている。その最初は自分の知る限り、リコーのGX100である。この正方形の画面は、まさにそのスタイル(カメラの)こそ異なるが、ローライフレックスであり、ハッセルブラッドなのである。
正方形の画面には、従来の構図を破壊するところがあるし、NASAの発表している宇宙写真もそうであるが、宇宙の上下のない空間ではこのほうがカメラが使いやすいのは確かだし、そこにはなにやら、宇宙的な郷愁とでもいえる感覚が流れている。
そこが正方形画面のよさである。
正方形画面でかなりシリアスだと思えるのは、例の駒村商会扱いのローライフレックスミニデジカメである。このサブミニチュアデジカメの面白さは「最初から正方形の画面以外には撮影ができない」というところにある。これはある意味での「カメラの思想が正しい」ということになるのだが、まさかそこまでは設計者も考えてはいないであろう。
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テナックス2
フィルムカメラの正方形のフォーマットといえば、ハッセルとローライフレックスをその二大巨頭としよう。
これに国産外国の各種の中判カメラ、つまり戦後のあらゆる歴史上の中判写真機が加わるわけだ。
ところで、正方形のフォーマットにはなにも120とか220フィルムを使用する機種だけではない。135のフィルムを使用する正方形のカメラには有名どころなら、ドイツのロボットがある。これは24x24のサイズである。
ロボットはもともと、ドイツの空軍機に積まれて、その戦果を記録する目的で製作された。空中戦の場合、なにも構図にこだわる必要はないし、モチーフがちゃんと写しとめられているほうが重要である。
その意味で正方形の画面はロボットカメラの基本であった。
一方でツアイスイコンのテナックス2がある。これは戦前のカメラであって、言ってみれば、コンタックス2型は24x36であるが、それを正方形の24x24にしたらこんなカメラが出来ました、という感じだ。
ウイーンに居住していたかなり初期にウイーンの古いカメラ店のウインドウにこのカメラを発見して、その軽快さと描写のよさに感激したのを今でも思い出す。
最近では、まだマカオが香港に返還される前(だから最近でもないが)に、マカオの一番北にある公園から、このテナックスで「人民中国」を撮影したらその場で巻き上げの壊れたことがあった。
今、もっているのはそれとは異なる固体であるが、この調子はすこぶる良い。
困るのは、これでカラーネガを撮影して、森タワーの6fの55ステーションに持参したらCDに焼いてもらえなかったことだ。ようするに、フルサイズとハーフサイズしか受けないのだ。店長が「CDには焼けないフォーマットです。なにかトイカメラかなにかで撮られたんですか」と聞いてきた。
ツアイスの天下のテナックスがおもちゃのカメラとはけしからんが、まあ、これを愛玩しているのだから、トイカメラには違いない。
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