KCチョートクカメラコラム
★銀塩クラシックカメラ
着流しライカ達人としての桑原甲子雄さん
桑原甲子雄さんが94歳で昨年の12月10日に亡くなったと、新聞上に見えている。
桑原先生に最初にお目にかかったのは、1966年頃だから、40年以上も前の話だ。写真同人社の座談会で、たしか東松照明さんを囲んでの座談会であったようだ。他には写真評論家の渡辺勉先生もおられた。
その間の記憶は欠落しているが、桑原先生は「座談会にチョートク君は踊りこんできて、機関銃のように我々を連射した」(大意)とこれは桑原先生が20年ほど前のある印刷物に書いてくださって、有り難かった。
思えば、これは人物写真を撮影する、最初の「仕事の機会」であったようだ。その後、メデイア関係で澁澤龍彦さんとか、小川国夫さんとか、時代が下ってからは、リクルートの江副さんとか、浅利慶太さんとか、京セラの稲森さんとか、ソニーの大賀さんとか、沢山の有名人を撮影した。
その最初のワンショットが桑原先生であった。当時の桑原さんは名編集者であって、自分のような写真学生から見れば、雲のそのまた上の成層圏的存在であった。
ベレー帽の日本文化人というのが、当時(60年代)には存在して、19歳の自分はそういう連中は嫌いであったが、桑原先生はベレーが実に似合う。
だからこの件だけは桑原先生の場合、例外だった。
1983年にニューヨークから戻って以来、東京カメラクラブの関係で、馬事公苑の先生のマンションに遊びに行った。
奥様が親切にも、珈琲を出したり、ケーキを出したり、その後は食事の心配までしてくださったのには感激した。お客で行ったのはカメラクラブの田村会長以下、50歳に近いおやじ連である。
そういう連中をお「おなかをすかせている青年」のように扱ってくださった。
この奥様の歓待は、これは白樺派のやりかたであろう。食客扱いして、若い衆は常に空腹であるという認識で、ご夫妻で気を使ってくださるのは、下谷車坂町の下町気質かも知れない。この事は忘れない。
桑原先生にライカ指南をして差し上げたことがある。親子ほども年齢が異なるのに、勉強となると実に真摯にライカの話を聞いてくださった。ライカM2がご所望なので、自分の持っている1台を買っていただいたこともある。
それからしばらくして、電話をいただいて、「チョートク君からゆずってもらったM2だけど、まだお金払っていなかったから、払うよ」とおっしゃるのである。
その代金はすでにいただいているので、その旨、申し上げた。
桑原甲子雄さんは、浜谷浩さんや、木村伊兵衛さんと並ぶ、日本のライカ道人の草分けだ。
青年時代の和服にライカA型を携えたそのお姿(これは鏡に写っているのである)は「着流しライカマン」として、我らライカ人類の間では、つとに有名である。
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★デジタルカメラ
リコーR7の仕事カメラとしての意外な実力
今度出る「GRD2ワークショップ」(えい出版社)では、GRD2の改良点を中心に展開してあるが、他にもGX100とかG7で撮影した口絵も紹介している。
昨年の10月のプラハ行きにはR7を、その前のプラハ行きの8月にはGX100を持参して撮影してきた。
それらの画像を並べてみると、GRD2にはコンパクトデジカメの最高クラスのステータスがあるのは当然のことながら、GX100とR7とを比較してみると、そのズーム比などと、そのサイズを考えると、どうもR7に軍配があがる。
先週末の「日本郵船氷川丸」の横浜行きの撮影では、博物館の中を撮影し、それから横浜港を撮影した。その全部をR7というコンパクトカメラ1台で撮影してしまえるのは、「プロにあるまじき行為」かも知れないけど、撮影などは楽をするが勝ちなのである。
要するにズーム付きのコンパクトデジカメの場合、望遠側が70ミリ見当では、向こうから歩行してくる人物などを、抜き打ちにして撮影するには、そのレンズの長さが足りないのだ。
R7はレンズキャップも付いて(GX100には付いていない)しかも200ミリ相当まで、ズームアップ可能なのが便利だ。しかも小形だから、そのままGパンのポケットに入る。
こういうコンデジの携帯性はありがたい。
目下、R7に対して不満はないが、ただ一つ問題があるとすれば、そのデザインである。なにか、GRDっぽいというか、フィルム時代のGR−1みたいな、しっかりしたグリップのボデイが欲しい。
R7だと右手のグリップがない。そこはつるつるであって、仕方ないからcaplioという浮き出し文字に指をひっかけているのだ。
ものの順番からすれば、R7の次はR8である。R8ではホールドしやすいボデイを期待したい。
もう一件は、撮影中に例のレンズの出し入れに怖いことが起こって、スタックしてしまうという「悪夢」がある。そこらを安全な機構にしてもらいたいが、その完璧な防止の為には、R7を2台持参する他はない。
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