KCチョートクカメラコラム167回
☆銀塩クラシックカメラ
「チエコ製ライカ、オペマのユニークさ」
オペマを最初に手にしたのは1970年代の半ばだ。それはウイーンのカメラ店で買ったのである。このチエコ製のRFカメラは当時はその評価が異常に低かった。
その理由は単純であって、「東ヨーロッパのカメラ」であるという、いわれなき偏見である。
それで価格が安いのは、これは買う方にしてみればありがたい。45ミリと135ミリの2本のレンズで、当時、ウイーンの街を撮影した。フィルムはこれも安く手に入った、ロシア製のモノクロフィルムである。
その四半世紀前のオペマで撮影したモノクロネガを自分は瞬時に識別することが出来る。他の35ミリカメラなら、ライカでもエキザクタでもニコンでもその画面サイズは24x36だから見分けがつかないけど、オペマは24x34ミリで2ミリだけ短いからすぐに分かる。
自分の持っているRFカメラで同じ比率を持っているのは、ニコンSと初期のミノルタ35、それにオペマである。ニコンの一番最初のモデルが24x34の40枚撮りであって、ミノルタ35も同様だった。その理由は物資のない終戦直後にフィルムを倹約しようという意識があったようである。
オペマに関してはそのセオリーは成り立たない。このカメラの登場した当時はチエコはすでに社会主義国の優等生であった。
倹約サイズの画面というよりも、これは当時のドイツのライカに対抗して自社のユニークさを演出しようと思っていた公算が強い。
オペマのユニークさはそれだけではない。交換レンズのマウントの直径がライカより2ミリ小さな37ミリなのである。当然バックフォーカスも異なる。
実はライカマウントにしておいた方が、後で楽なのだけど敢えてそのルールに従わなかったのは、これも見識、見方を変えれば天の邪鬼である。
交換レンズは30,45,90,135,180ミリがあった。30ミリとか45ミリというのも、従来の交換レンズのシステムとは異なる。ライカタイプに普通に存在する35ミリのレンズがない、というのもある意味個性的だ。
オペマの特徴はビューファインダーがレンズの真上にあることだ。レンジファインダーはボデイの右端に寄せてある。その距離計には望遠鏡が仕込んであるので、視野の中にかなりのサイズで距離計の測距部分を観察できる。
だから、ピント合わせは楽だ。
オペマの凄いのは、フィルムの駒間隔が正確なことだ。信じられないかも知れないが、ライカの3cとか3f(これは同時代)より、ちゃんとしている。
そのデザインもチエコの精密工業生産物という感じがして、好ましいライカコピーである。直線と曲線を巧みに組み合わせたそのデザインは伝説のチエコの高級車、タトラを連想させる。
☆デジタルカメラ
「実はキュプリオR7だけ持ってプラハに」
リコーの銘コンパクトデジカメである、リコーGRが新形になったようだ。そのお披露目をかねて、この月末に横浜の美術館でイヴェントがある。あたしはその時刻には帰国途上でCDGに居るので間に合わない。同時にGRDの100人写真集が出るので、自分も1枚の画像で参加している。その画像は東京の上空8000メーターから見た都心風景。うちのタワーがその高度からでも見えるのだ。
GRDはユニークと書くと、またチョートクのリコー贔屓と言われるであろうが、自分の場合にはGR-1の頃からの10年来のお付き合いであるから、まず何と言われても困ることではない。
GR-1の登場でそれまでの写真家の選ぶカメラは激変したのである。森山大道さん、ロバート・フランク氏を見よ!
この「GR民主化運動」とでも言える、カメラ選択のシフトの意味は実に大きかった。
ところで、新GRDについてはその内容はまだ知らないのだけど、まずあそこまで作り込んだカメラだからこれ以上変わってもらいたくはない。余計な便利機構を付けると、キャプリオになってしまうからだ。
お顔綺麗モードも、ブレ防止も、GRDには不用である。
GRDはライカみたいな「伝統芸のカメラ」に昇華した。
それで今回も愛機GRDを持参したか、、、というと否である。
最近ではキャプリオR7の病気に感染してしまい、拙ブログでもほとんどこれで撮影している。そして画像設定はほとんどが、N-1260のサイズなのだ。自分の場合、ブログ専用カメラはR7だ。
10月から新スタートしたこのブログの画像は350kもあれば十分である。だからそれ以上の画質が必要な場合には、もう一台のエプソンR-D1sを使う。
このようにデジカメの守備範囲を分けて使った方が賢い。
プラハでこのR7を使っていると、プロ連中が興味を示してくる。その200ミリまでひっぱれる望遠サイズにしびれているようだ。何?そんなに安いのか、、、どこで売っているんだ!と、一騒ぎであった。ちなみにプラハではまだR6しか店頭にない。
事実、この望遠サイズのズームはかなり使える。
疾走する路面電車の中で目の前、2メーターのブロンド女性を望遠サイドで撮影した。ブレの防止機構が効いているのであろう。
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